サロン開業後の集客方法|資格を取ったけれど、お客様の作り方が分からない人が最初にやるべき3つのこと

セラピストのためのサロン経営とリピート設計

「セラピストの仕事に憧れてスクールに通い、技術や知識を身につけ、念願のサロンを開業」

ところが、いざ始めてみると、思うようにお客様に来てもらえない。
「施術の技術は習ったけれど、サロンの集客方法は習っていない」
そのように戸惑っている方は、少なくないのではないでしょうか。

私自身も、最初の壁として集客に悩みました。美容業界未経験の専業主婦からサロンを開業し、技術は学んだものの、どうやって最初のお客様に来ていただくのか分からず戸惑いました。
23年間サロンを続ける中で、最初から順調にお客様が集まったわけでもありません。

サロンを開いただけでは、地域の方にも、悩みを抱えている方にも、その存在を知ってもらえないという現実を経験してきました。

だからこそ、最初から難しい集客テクニックを身につけようとするよりも、まずは「どのような人のためのサロンなのか」を整理し、選んでもらうための土台をつくることが大切だと感じています。

この記事では、資格を取ってサロンを開業したものの、お客様の作り方が分からず悩んでいる方に向けて、最初に取り組みたい3つのことをお伝えします。

1.「誰の、どんな悩みを解決するサロンか」を決める

最初に考えたいのは、あなたのサロンが「誰の、どのような悩みを解決する場所なのか」ということです。

例えば、次のようなお客様が考えられます。

  • 肩こりや疲れが取れず、定期的に体を整えたい女性
  • 若さを維持したい女性
  • ダイエットを手助けしてほしい女性
  • 更年期を迎え、これまでとは違う体の変化に戸惑っている女性
  • マッサージを受けても、すぐに元の状態へ戻ることに悩んでいる女性
  • 病院に行くほどではないものの、慢性的な不調を感じている女性

開業したばかりの頃は、できるだけ多くの方に来てもらいたいという気持ちから、「どなたでもお越しください」と伝えたくなるかもしれません。

しかし、対象を広くしすぎると、見ている人にとっては「自分のためのサロンなのか」が分かりにくくなります。

反対に、
「肩こりや疲れを繰り返し、体を根本から見直したい女性のためのサロンです」
「更年期による体の変化に悩む女性に寄り添うサロンです」
というように伝えると、その悩みを持つ方が「これは私のことかもしれない」と気づきやすくなります。

すべての人に選ばれようとするよりも、まずは目の前にいる一人に、「自分のためのサロンだ」と感じてもらうことが大切です。

2.何を使ってサロンを知ってもらうかを決める

どれほど良い技術を持っていても、サロンの存在を知られていなければ、お客様に来てもらうことはできません。

サロンを知ってもらうための方法には、さまざまなものがあります。

  • チラシ
  • InstagramなどのSNS
  • ホームページ
  • Googleマップ
  • 友人や知人からの紹介
  • 地域のお店や施設への案内

ただし、これらを最初から一人ですべて行おうとすると、負担が大きくなります。

写真を撮り、文章を書き、SNSを更新し、ホームページを整え、チラシも作る。慣れていない人が一度に取り組むと、施術以外の作業に追われ、途中で疲れてしまうこともあります。

SNSでの発信が得意な方であれば、Instagramから始めるのもよいでしょう。

地域のお客様を対象にしている場合は、Googleマップの情報を整えることも大切です。

一方で、SNSが苦手な方や、地域とのつながりが強い場所で営業している場合は、チラシや知人からの紹介の方が効果を感じられることもあります。

大切なのは、流行している方法を無理に選ぶことではありません。

まずは、自分が負担なく続けられそうな入口を一つ決め、サロンの存在や、どのような悩みに対応しているのかを丁寧に伝えていきましょう。

3.最初のお客様を「知らない大勢」の中から探そうとしない

個人サロンにとって、口コミや紹介は大きな力になります。

しかし、口コミを生み出すためには、まず最初にサロンへ来てくれるお客様が必要です。

開業初期には、まったく接点のない大勢の人へ向けて発信するだけでなく、これまで関わってきた方にサロンを始めたことを知らせる方法もあります。

例えば、次のような方です。

  • 施術練習に協力してくれた方
  • 自分の活動を知っている友人や知人
  • 地域の活動を通じて関わりのある方
  • 以前の職場や仕事を通して出会った方

ただし、「誰でもよいので来てください」とお願いする必要はありません。

例えば、

「肩こりや疲れを繰り返している女性に向けたサロンを始めました。周りに困っている方がいらっしゃったら、思い出していただけるとうれしいです」

というように、どのような人のためのサロンなのかを伝えます。

相手自身がすぐに来店しなかったとしても、後から家族や友人の悩みを聞いたときに、あなたのサロンを思い出してくれるかもしれません。

最初から大勢のお客様を集めようとするのではなく、まずは一人の方に知ってもらい、安心して来店していただく。そして、その一人に丁寧に向き合うことが、次の来店や紹介へつながる最初の一歩になります。

集客は「来てもらったら終わり」ではありません

新しいお客様にサロンを知ってもらうためには、時間も費用もかかります。

しかし、せっかく来ていただいたお客様が一度きりで終わってしまえば、何度も新しいお客様を探し続けなければなりません。

そのため、集客は「新規のお客様を集めること」だけで考えるのではなく、次のような一つの流れとして捉えることが大切です。

来店してくれた方に満足していただき、「またお願いしたい」と思ってもらえれば、少しずつサロンのお客様は増えていきます。
さらに、信頼する人からの紹介であれば、初めてのサロンへ行く不安も小さくなります。

集客を考えるときには、入口となる発信だけでなく、来店後にどのような時間を過ごしてもらうかまで考える必要があります。

リピートや口コミにつなげるために身につけたい3つの力

開業したばかりの頃は、習った技術を間違えずに行うことで精いっぱいになるかもしれません。
私も、最初は目の前の施術を一生懸命行うことしかできませんでした。

しかし、お客様がサロンを利用するときには、それぞれに目的があります。

「肩こりを楽にしたい」
「疲れにくい体になりたい」
「自分の体がなぜつらいのか知りたい」
「今より元気に過ごしたい」

このような目的があるため、習った手順を毎回同じように行うだけでは、お客様の悩みに十分応えられないことがあります。

そこで大切になるのが、次の3つの力です。

  1. 体の状態を読み解く力
  2. 一人ひとりに合わせて施術を組み立てる力
  3. お客様が納得できるように説明する力

単に「気持ちよかった」で終わるのではなく、

「私の体をきちんと見てもらえた」
「今の体の状態が分かった」
「なぜきつかったのか理解できた」
「これから何をしたらよいか分かった」

と感じてもらうことが、信頼につながります。その信頼が、「またこの人にお願いしたい」という気持ちや、身近な人への口コミにつながっていくのだと思います。

集客に悩むときほど、新しい技術を増やす前に見直したいこと

お客様が増えないとき、

「もっと珍しい技術が必要なのではないか」
「資格が足りないのではないか」

と考えることがあります。

真面目で、お客様の役に立ちたいと思っているセラピストほど、さらに技術や知識を増やそうとするのではないでしょうか。

もちろん、新しいことを学ぶことが必要な場合もあります。しかし、お客様が来ない原因が、必ずしも技術不足とは限りません。

例えば、次のような点が影響している可能性もあります。

  • 誰に向けたサロンなのか分からない
  • 施術を受けることで得られるメリットが伝わっていない
  • お客様の悩みとメニューの内容が結びついていない
  • 初めての方が安心できる情報がそろっていない
  • 来店後の説明や、今後の提案が曖昧になっている
  • 自分の施術の特徴を言葉で説明できていない

新しい技術を増やす前に、今持っている技術を「誰に、なぜ、どのように使うのか」を整理することが先かもしれません。

技術の数が多いことよりも、お客様の悩みに合わせて今ある技術を活かせることの方が、個人サロンにとって大きな強みになります。

まとめ|まずは「選ばれるための土台」を整えよう

サロンの集客に困ったときは、発信の回数や広告を増やす前に、次のことを確認してみてください。

  • 誰の、どのような悩みを解決するサロンなのか
  • 何を使ってサロンを知ってもらうのか
  • 初めての方が安心できる情報がそろっているか
  • 自分の施術の特徴や違いを言葉で説明できるか
  • お客様の状態を読み取り、施術を組み立てられているか
  • 施術後、お客様が自分の体について理解できているか

お客様に見つけてもらうことは、もちろん大切です。

しかし、その後に「ここなら相談できそう」と思ってもらい、来店した方に「またお願いしたい」と感じてもらうことが、長く続く個人サロンの土台になります。

私自身も、最初から集客方法が分かっていたわけではありません。目の前のお客様に向き合い、どのようにすれば喜んでいただけるのかを考えながら、少しずつサロンを続けてきました。

最初からすべてを完璧に整える必要はありません。

まずは「誰のためのサロンなのか」を決め、自分にできる方法で知らせ、来てくださった一人に丁寧に向き合う。その積み重ねが、次の来店や口コミにつながり、少しずつお客様とのご縁を広げてくれるのだと思います。

BERILUのスクールでは、集客テクニックそのものを教えるのではなく、今持っている技術を活かしながら、

  • 体の状態を読み解く力
  • 一人ひとりに合わせて施術を組み立てる力
  • お客様に分かりやすく伝える力

を身につけることを大切にしています。

新しい技術を増やす必要があるのか悩んでいる方は、今ある技術をお客様の悩みに合わせて使うことで、お客様から信頼され、長くリピートされるサロンになれると私は思っています。

この記事を書いた人

西村 朱美

BERILU代表/一般社団法人JPMリンパ協会 代表理事

2003年より北九州市でサロンを運営。23年間のサロン経験をもとに、体の状態を読み解き、一人ひとりに合わせて施術を組み立てる「BODY SIGN」の考え方を伝えている。

セルフケア講座、企業・行政団体での健康講座、セラピスト育成など、これまで約600名への指導実績を持つ。